矯正治療に関する質問(Answer)
痛いと聞いたのですが?
初めて歯列矯正装置を装着した場合、ワイヤーや装置によって歯が移動する際に痛みを感じることがあります。痛みの種類としては歯が浮いたような感じがする、歯が当たると痛いなどです。通常は2~3日で痛みはなくなります。
この痛みは個人差が強く、子供だから痛くない、大人の矯正治療だから痛いという事もありません。確実にいえるのは時間の経過とともに痛みは減少するという事です。初めて歯が動く痛みを経験した時は、痛みがいつ収束するのかが判らないため不安になりますが、一旦、痛みが収束するパターンを経験すると次回からは変化の予測ができるのでそれほど大変ではありません。
歯に加わる力は、できるだけ弱くて持続的なものがよいとされています。当クリニックでは、体温付近で適した力を発揮する温度依存性ニッケルチタン製のワイヤーを使用して痛みを軽減するようにしています。当院で治療を受けられた方の多くは、思ったよりも痛くなかったとの感想をお持ちです。
永久歯の抜歯をすると聞いたのですが?
抜歯を望む人も好きな人もいないと思います。治療する側もできるだけ抜歯を避けたいと考えています。矯正治療で必ず抜歯が必要になるわけではありませんが、必ず抜歯をしなくてもよいわけでもありません。小児の場合、治療を早期に開始することで永久歯の抜歯を回避できる事は少なくありません。
矯正治療の目標は、正しい咬み合わせとバランスのとれた顔貌の獲得です。抜歯が必要なくても、これらの目標が達成できる場合には必要ありません。逆に抜歯をすると治療が困難になる場合もあります。非抜歯を希望するあまり、歯列はキレイに並んだけれど口元のバランスが悪くなってしまっては本末転倒です。できること、できないことを正しく判断して治療計画を立てる事が重要だと考えています。
食事制限はありますか?
基本的に制限はありませんが、矯正装置を装着した直後はワイヤーの変形やブラケットの脱落を防ぐために、硬いおせんべい、飴や氷を齧るなどは避けた方がよいでしょう。
年齢制限はありますか?
健康な歯と歯周組織であれば、歯列矯正に問題ないといわれています。歯周病の改善のために、歯列矯正治療を行うこともあります。また、インプラント治療を行うための患者さんも増えています。年齢が問題になることは特にありません。60歳を超えてから治療を開始される患者さんもいらっしゃいます。
通院間隔はどれぐらいですか?
矯正装置をお口の中に装着してから4~6週に1回程度です。約1ヶ月後の予約ですから、忘れてしまう事があるかもれません。そのため、予約日の2日前に携帯メールを差し上げています。治療終了後の経過観察では3~6ヶ月に1回の間隔です。次の予約が3ヶ月以上の場合には予定の1ヶ月前に予約の案内メールを差し上げています。
スポーツに影響はありますか?
全てのスポーツに影響ありません。咬み合わせが良くなる事で、練習量が少なくなっているにも関わらず、マラソンやトライアスロンの自己記録を更新された患者さんがいらっしゃいます。
ラグビーやアメリカンフットボールなど、激しいスポーツも特に問題ありません。ちなみに、北京オリンピックに出場したマラソンの土佐選手も矯正治療されていました。
差し歯でも矯正できますか?
差し歯は歯根に人工歯の部分を被せています。歯根の状態が健康であれば、矯正治療は可能です。大抵の差し歯は歯列が不正な状態に合わせるよう装着していますので、矯正治療後はやり直しを希望される方がほとんどです。その場合は、一旦、仮歯にしてから矯正治療で適した位置に移動する方法を採用します。そのため、綺麗な歯列に合わせて適した形態の差し歯の装着が可能です。
矯正治療途中で虫歯ができたら?
虫歯ができないようブラッシング指導や予防処置に重点を置いています。万が一虫歯ができた場合は、虫歯の部位によっては装置が付いたままで治療が可能です。場所によっては一時的に装置を外す必要があります。虫歯治療はご紹介元の歯科医院あるいは信頼できる歯科医院をご紹介いたします。その際には、治療依頼書をお渡しします。当院で虫歯治療を希望される患者さんがいらっしゃいますが、治療にはそれぞれ専門分野がありますので、当院では矯正治療以外行っておりません。また、それが患者さんにとって良い事だと思っています。
矯正治療途中で妊娠・出産は可能?
歯列矯正治療は妊娠・出産に影響を及ぼしません。不安定な時期の通院を控えていただき、安定期に入れば治療を再開、出産直前で治療を中断、出産後に治療再開します。
転勤が多いのですが?
当院への通院が困難な場合、可能な限り転居先に近い矯正歯科専門クリニックをご紹介します。また、当院での治療計画、治療経過報告書を作成して転居先でもスムーズな治療継続の手続きをいたします。その時点での治療費の清算を行います。
矯正治療費は医療費控除の対象になるのですか?
咬み合わせの治療に対する医療費は控除の対象です。
成人の場合は、診断書の提出を求められる場合があります。診断書の必要な場合はお知らせください。確定申告に必要な診断書の発行は無料です。
相談だけでもよいのでしょうか?
もちろんです。気になさっている事、心配されている事をご相談ください。矯正治療は時間も費用もかかります。検査を受けるかどうかは、初診相談の際に説明をお聞きになり、ゆっくり考えて納得してからお決めください。
ホワイトニングに関する質問(Answer)
歯の着色の原因は何ですか?
コーヒー、紅茶、ウーロン茶、コーラ、赤ワインなど色のついた飲食物の色素が歯の表面から沈着するもの、加齢によるもの、薬物によるもの、喫煙などいろいろな原因があります。
歯が白くなるメカニズムを教えてください
ホワイトニング剤に主成分として含まれる過酸化水素や過酸化尿素は、一定温度になると酸素と水に分解します。この分解時に発する活性酸素が、歯の着色物を無色透明に分解します。
エナメル質の色素が無色透明になっただけでは歯は白く見えません。エナメル質本来の色は白色ではなく、半透明で下層にある象牙質の色は黄色がかっているため、エナメル質の色を無色透明にしても、黄色い象牙質の色が透けて見えることになり、歯は白く見えないのです。
歯を白く見せるためには、曇りガラスのようなマスキング効果が必要です。エナメル質は無数のエナメル小柱が束になってできています。ホワイトニング剤から発生した酸素は、エナメル質表層のエナメル小柱の構造を角状から球に変化させる作用があります。球状になったエナメル小柱表面に光が乱反射して、曇りガラスのようなマスキング効果を得ることができ、その結果歯が白く見えます。
費用は高額なのでしょうか?
ライト矯正歯科クリニックではオフィスホワイトニング、ホームホワイトニングともに25,000円~実施可能です。特に、ホームホワイトニングは初回にライトオフィスホワイトニングを組み合わせているので、当日に歯が白くなるのを実感しながら、希望の白さを自分でコントロールできます。
安全ですか?歯にダメージを与えませんか?
ホワイトニング剤の主成分は過酸化水素です。ライト矯正歯科クリニックでは日本の薬事承認を受けたもの、米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けたものを使用しています。学会や研究機関の発表でも、歯にダメージを与えない方法として確認されています。
ホワイトニング剤の成分について
オフィスホワイトニングに使用する主成分は過酸化水素、ホームホワイトニングは過酸化尿素です。過酸化尿素は酸化反応の過程で過酸化水素に変化するため、ホワイトニング剤=過酸化水素といえます。過酸化尿素は過酸化水素に比べて酸化反応が緩慢です。そのためじっくり時間をかけて行うホームホワイトニングに適しています。
過酸化水素は、オキシドールと同じ成分です。オキシドールは3%の過酸化水素、オフィスホワイトニングに使用する過酸化水素は35%、過酸化尿素は10~21%使用します。過酸化水素の低濃度のものは、オキシドールに代表されるように安全で広く普及しています。
ホワイトニングに使用する薬剤は、過酸化水素以外に増粘剤と触媒等が配合されています。過酸化水素単独の場合、液体のため流動性が良すぎて歯の表面に一定時間留まってくれないことと、すぐに乾燥してしまうため十分な漂白効果を得ることができません。
歯に長く滞留させるための増粘剤として、シリカやグリセリンなどの無機化合物を使用し、歯の表面で長時間作用しやすくしています。
触媒は、過酸化水素の酸化反応課程で生じるフリーラジカルの量を増やすために使用します。光に対する触媒では、酸化チタン等が代表的です。
ホワイトニングの効果は?
結果を左右するのは過酸化水素・過酸化尿素の濃度と作用時間、エナメル質の石灰化度で決定します。基本的に薬剤の濃度が高ければ高いほど、作用時間が長ければ長いほど、ホワイトニング効果は高まりますが、あなたの歯に適した処方と要求に対応してもらえる歯科医院がお勧めです。多くの方法を提示する歯科医院もあるようですが、その際はどれを一番推奨するのか確認が必要です。
当院お勧めのライトオフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせた結果です。白さを実感できる変化を確実に!
オフィスホワイトニング用薬剤について教えてください
過酸化水素は分解が早くオフィスホワイトニングに向いています。この分解に作用しているのが、触媒とそれを活性化させる光です。
ホワイトニング剤の製造メーカーはこの触媒、光の開発にしのぎを削っているといわれています。過酸化水素の場合35%を超えると歯にダメージを与える可能性があり、それより低濃度のものがお勧めです。通常30%前後の濃度を使用します。日本人の場合エナメル質が白人に比べて薄いので、それ以上長い時間作用させた場合、知覚過敏などの不快症状が高い割合で発生します。
1日のホワイトニングプログラムは約10分×3回程度が妥当です。それを超えてホワイトニングすることも可能ですが、白人のようにエナメル質の厚い歯と違って日本人の場合は一日のプログラムが1時間を越えるホワイトニングシステムはあまりお勧めしません。
ホームホワイトニング用薬剤について教えてください
過酸化尿素は分解されて過酸化水素を発生し、更に分解してホワイトニング作用を発現します。過酸化尿素の分解は極めて遅く、完全に分解するのに8時間ほど要します。また、分解の過程で濃度は次第に低下し、最後には0になります。
臨床では10%、15%、20%の過酸化尿素を使い分け、最初は10%、次の濃度の15%に引き上げ、次に20%に引き上げて使用するのが効果的です。
過酸化尿素は分解して過酸化水素を発生させますが、そのホワイトニング効果は、例えば過酸化尿素20%は約6%の過酸化水素に相当します。
ホームホワイトニングは、空き時間の使用が通常です。ライト矯正歯科クリニックでは低濃度の過酸化水素を使用して1日2時間行うデイ・タイプというホームホワイトニングを推奨しています。
誰でもできますか?
ほとんどの方に可能な治療法です。事前に歯科医師による診査や診断で、適応する症状かを確認することをお勧めします。それにより効率の良いホワイトニングができます。妊娠中の方、未成年の方、無カタラーゼ血症の方は実施できません。
特別なライトを使用する方法があると聞きましたが?
ライト矯正歯科クリニックはホワイトニング専用照射器を導入しています。専用照射器による「光」波長でホワイトニングの反応を促進でき、効果的にホワイトニングが行えます。当クリニックで導入している機器は照射熱の発生が軽減されていて、歯に優しいオフィスホワイトニングが可能です。
痛くないの?
ホワイトニングはアメリカで開発された歯を白くする方法です。日本人のエナメル質はアメリカ人より薄いので、知覚過敏が生じる場合があります。しかし、一過性ですぐに症状は軽減します。知覚過敏症状が出た場合は、ホワイトニング剤を変更または一旦中断して知覚過敏症状の改善後、再度ホワイトニングを継続できます。
白くなるまでの期間と回数は?
「どの程度白くしたいか?」「歯の性質や生活習慣」「使用する薬剤や機械の種類」などにより異なりますが、オフィスホワイトニングの場合1~20回の範囲。ホームホワイトニングは1ヶ月程度で5~6段階程度白さの変化が期待できます。
どれだけ白くなるの?
「過酸化水素(尿素)の濃度×作用時間×薬剤と機械の性能×歯の性質」の計算式が成り立ちます。
ホワイトニングは日焼けに似ています。真夏の太陽の下「一度でどのくらい焼けるか?」に個人差があるように、歯もどのくらい白くなるかは人それぞれです。逆に時間をかければ、日焼け同様効果が出にくい人でも徐々に白くなります。
白くなりやすい歯、なりにくい歯の傾向もあります。一般的に歯に縞模様があったり、歯がグレー色の場合はホワイトニングで白くすることはやや困難です。
逆に一度で白くなりやすい歯としては、歯年齢が若いことです。また、歯が脆く脱灰が起きやすい人も1度で白くなりますが、これは漂白というより歯の表面組織の崩壊なので注意が必要です。